カーボンフットプリントとは何か? どうやって計算するのか? 日常生活から始める省エネとCO2削減!
2024/8/31
カーボンフットプリントとは、私たちの活動によって排出される温室効果ガスの総量を指し、地球環境への負荷を評価するための重要な指標です。本記事では、カーボンフットプリントの計算方法、台湾におけるカーボンラベルと削減ラベルの違い、そして企業や個人がどのようにしてカーボンフットプリントを削減できるかについて詳しく説明します。また、企業向けにペーパーレス化によるカーボンフットプリント削減サービスを提供している「チューリングサーツ(Turing Certs)」についてもご紹介します。
目次
1. カーボンフットプリントとは? なぜカーボンフットプリントの削減が重要なのか?
2. カーボンフットプリントの計算方法:3つの主要なカテゴリーと計算式の概要
(1)カーボンフットプリントの3つの主要なカテゴリーの説明
(2)カーボンフットプリントを計算する前に知っておくべき3つの重要な用語
(3)カーボンフットプリントの一般的な計算方法
3. 台湾におけるカーボンフットプリントラベルの紹介。カーボンラベルと減炭ラベルの違いは何か?
(1)カーボンフットプリントラベルとは? カーボンラベルと減炭ラベルの違い
(2)カーボンラベルが個人および企業にもたらすメリット
4. カーボンフットプリントを削減するには? 個人と企業ができること
(1)私たちから始められる!個人がカーボンフットプリントを削減する4つの方法
(2)企業がカーボンフットプリントを削減する5つの方法
5. カーボンフットプリント削減の強力なサポーター!企業向けペーパーレス化&カーボンフットプリント削減サービストップの「Turing Certs」
1. カーボンフットプリントとは? なぜカーボンフットプリントの削減が重要なのか?
カーボンフットプリント(Carbon Footprint)とは、個人、企業、団体、製品の製造、サービスの提供、または出来事の発生から終了までの過程で、直接または間接的に生成される温室効果ガスの総排出量を指します。現在、この量は二酸化炭素換算(CO²e)で計算されています。
たとえば、ある製品が原材料の生産、製造、組み立て、包装、配送、廃棄処理といったすべての過程で排出する温室効果ガスの総量が、その製品のカーボンフットプリントとなります。
温室効果ガスの排出量が増加し続けると、その一連の影響が地球規模の気候変動を引き起こし、気温上昇、海面上昇、極端な気象現象、生態系の変化、さらには生態系の破壊や種の絶滅といった問題の発生につながります。これらは地球にとって不可逆的な損害をもたらし、このような深刻な問題を無視し続けると、人類社会は自然環境からの逆襲に直面し、生存や文明の発展が脅かされる可能性があります。
したがって、温室効果ガスの排出量を減らし、カーボンフットプリントを削減し、地球温暖化の進行を遅らせ、自然環境を保護することが、現代の人類社会にとって重要な課題となっています。
2. カーボンフットプリントの計算方法:3つの主要な範囲と計算式の概要
(1) 3つの主要なカーボンフットプリントの範囲の説明
環境保護庁(EPA)の「温室効果ガス排出インベントリガイドライン」に基づき、カーボンフットプリントは以下の3つの範囲に分類されます。
- 直接排出
温室効果ガスの排出源が企業や個人から直接発生する場合は、これを直接排出と呼びます。例えば、交通手段の運転、燃料の使用(レストランでのガスや天然ガスの使用など)、または空調設備から放出される冷媒などはすべて直接排出のカテゴリーに含まれます。 - エネルギー間接排出
エネルギー間接排出とは、企業や個人が外部から購入したエネルギーに関連する排出を指します。例えば、空調や冷蔵庫などの電化製品を使用する際の「電力消費」は、電力会社から供給されるものであり、企業や個人が自ら発電しているわけではありません。このため、こうした電力消費に伴う温室効果ガスの排出はエネルギー間接排出のカテゴリーに分類されます。 - その他の間接排出
その他の間接排出とは、企業や個人の行動が間接的に温室効果ガスウ排出する場合を指します。例えば、原材料の輸送に伴う炭素排出、企業の従業員が通勤する際のカーボンフットプリント、製品製造過程での廃棄物処理などがこれに該当します。これらの排出は、直接的なエネルギー使用や燃料消費によるものではなく、他の活動が関係しているため「その他の間接排出」のカテゴリーに分類されます。
以下の表は、個人、企業、製品それぞれが産出する可能性のあるカーボンフットプリントとその発生源を整理したものです。この表を使用してカーボンフットプリントのかカテゴリーについて理解を深めていきましょう。
個人のカーボンフットプリント | 企業のカーボンフットプリント | 製品のカーボンフットプリント | |
直接排放 | 車の運転 |
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製品製造過程での化石燃料の燃焼 |
エネルギー間接排出 | – エアコンや冷蔵庫の電力使用 | – 社内でのエアコン使用 – プリンターやコンピューターの電力使用 – 照明の電力使用 |
製品生産に必要な電力やその他のエネルギー消費 |
その他の間接排出 |
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(2)カーボンフットプリントを計算する前に知っておくべき3つの重要な用語
1. 炭素換算量/炭素削減量
炭素換算量は二酸化炭素換算(CO²e)を指し、カーボンフットプリントを計算する際の基本単位です。温室効果ガスにはさまざまな種類があり、それぞれが大気中に留まる時間や地球温暖化への影響などが異なるため、これらをすべて二酸化炭素に換算することで、比較・統計・計算がしやすくなります。
もし炭素換算量が温室効果ガスの増加量を計算する単位であると定義すると、炭素削減量は温室効果ガスの減少量を計算する単位と定義できます。どちらも二酸化炭素換算(CO²e)を基礎単位としています。
例えば、1本の木が20キログラムの二酸化炭素を吸収するとしたら、その木を植えることによって得られる炭素削減量は20kgのCO²eとなります。
2. 活動量
カーボンフットプリントの計算において、活動量は人の活動や製品のライフサイクルの各段階で発生する温室効果ガスの排出量を指します。
例えば、「コーヒー1杯を購入する」際のカーボンフットプリントを計算する場合、以下のような活動デが含まれるかもしれま
-
- コーヒー豆の使用量
- 使用する水の量
- 消費電力
- 原材料や製品の輸送距離
- 廃棄物の重量
3. 排出係数
排出係数とは、各単位の活動量に対応する温室効果ガスの排出量を指し、通常、二酸化炭素換算(CO²e)で表されます。
例えば、台湾の経済部エネルギー局が公表した2023年の電力排炭係数によれば、1キロワット時の電力消費における炭素排出量は0.464キログラムのCO²eです。
様々な原材料の製造や使用過程での温室効果ガス排出量の排出係数については、「台湾環境省 環境データオープンプラットフォーム「国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス」で各種のカーボンフットプリント排出係数を確認することができます。
(3) カーボンフットプリントの計算方法
台湾では、一般的に前述の「排出係数法」がカーボンフットプリントの計算に使用されます。これは、製品の製造過程で必要な原材料や燃料の活動量に特定の排出係数を掛け合わせることで温室効果ガスの排出量を計算する方法です。これがカーボンフットプリントの計算となります。
カーボンフットプリントの計算式:活動量 × 排出係数 = カーボンフットプリント
例えば、企業が1トンの鉄筋を生産する過程で1,000キロワット時の電力を使用した場合、前述の1キロワット時の炭素排出量が0.464キログラムのCO²eであることから、企業が1トンの鉄筋を生産する際のカーボンフットプリントは次のように計算されます。
カーボンフットプリント = 1,000キロワット時(活動量) × 0.464キログラム CO²e(排出係数) = 464キログラムCO²e
個人のカーボンフットプリントを計算する場合、食事、住居、移動などの活動項目ごとに生産、製造、配送過程でどれだけの温室効果ガスが排出されたかを計算することは極めて困難です。そのため、「カーボンフットプリント計算表」や「カーボンフットプリント計算機」を使用することで、生活の中でどれだけの温室効果ガスが発生しているかを迅速に計算することができます。
3. 台湾におけるカーボンフットプリントラベルとは何か?カーボンラベルと減炭ラベルの違いは何か?
(1)台湾におけるカーボンフットプリントラベルとは? カーボンラベルと減炭ラベルの違い
1. カーボンフットプリントラベル(Carbon Footprint Label)
台湾において、カーボンフットプリントラベルは「カーボンラベル」または「カーボン排出ラベル」とも呼ばれ、日本のカーボンフットプリント(CFP)マーク(Carbon Footprint Mark)に相当します。このラベルは、製品やサービスが生産から廃棄までに排出する炭素排出量を示すものです。
カーボンフットプリントラベルは、公正な第三者機関による再検証と炭素排出量の確認を行った後、環境保護署に審査を申請し、審査に通過した製品に対して表示されます。
2. 減炭ラベル(Carbon Footprint Reduction Label)
台湾におけるカーボンフットプリント関連のラベルには減炭ラベルと呼ばれものも存在します。カーボンフットプリントラベルをベースとしたもので、企業が5年以内に製品またはサービスのカーボンフットプリントを3%以上削減することを約束し、実際の削減データを添付して環境保護署に審査を依頼します。審査に合格した企業には、減炭ラベルの使用権限が付与されます。
一方、日本では「カーボン・オフセット認証ラベル(Carbon Offset Label)」が使用されています。カーボン・オフセット認証ラベルは、製品やサービスの温室効果ガス排出量を相殺する取り組みを示すラベルです。具体的には、企業が自社の排出量を削減するだけでなく、再生可能エネルギーの導入や森林保護活動などの外部プロジェクトに投資し、その効果で排出量を相殺していることを証明します。
台湾の「カーボンフットプリントラベル」と「減炭ラベル」はデザインが非常に似ていますが、以下の表の通り微妙な違いがあります。
- カーボンフットプリントラベル
(画像出典:製品カーボンフットプリント情報ネットワーク)
- 減炭ラベル
(画像出典:製品カーボンフットプリント情報ネットワーク)
日本の例:
- カーボンフットプリントマーク(Carbon Footprint Label)
(画像出典:CFPプログラム『初心者のためのCFP』)
- カーボン・オフセット認証ラベル
(Carbon Offset Label)
(画像出典:JESジャパン・フォー・サステナビリティ『環境省 カーボン・オフセット認証ラベルを公表』)
(2) カーボンフットプリントマークが個人と企業にもたらすメリット
1. 個人にとってのカーボンフットプリントマークのメリット
カーボンフットプリント(CFT)ラベルのマークを目にすることで、消費者は「低炭素商品」を簡単に識別できるようになります。これにより、買い物の際にカーボンフットプリント(CFT)マークが付いた商品を選ぶことで、自身の生活の中でのカーボン排出を削減し、自然環境の保護や地球温暖化の緩和に貢献できます。消費者は、自身の環境意識を高めるとともに、持続可能な製品選びを通じて、より良い社会を作ることができます。
2. 企業にとってのカーボンフットプリントマークのメリット
企業は、カーボンフットプリントラベルを取得するために、低炭素のサプライヤーを選定したり、低炭素の輸送方法を採用したり、再生可能エネルギーを使用するなどのカーボン削減戦略を実施することができます。これにより、消費者の関心を引き、企業が社会に対して持つ印象を向上させることができます。企業が「企業の社会的責任(CSR)」を果たし、「社会から得たものを社会に還元する」という理念を実践していると認識されます。
さらに、日本では「環境省のエコ商品評価制度」や「グリーン購入法」に基づき、環境に配慮した製品やサービスの調達が促進されています。カーボンフットプリントマークを持つ製品は、政府機関や公共機関の調達案件において、環境配慮の観点から優先的に選ばれる可能性があります。このように、カーボンフットプリントマークを取得することで、企業は競争優位性を高めるとともに、公共調達の機会を増やすことができます。
4. カーボンフットプリントを削減する方法:個人と企業ができること
(1) 私から始めよう!個人がカーボンフットプリントを削減する4つの方法
- 省エネ設備の選定
自宅で使用するエネルギー消費の多い設備(例えば、コンロ、エアコン、冷蔵庫など)を、省エネルギーラベルの付いた製品にすることで、エネルギー消費を削減し、カーボン排出量を減らすことに繋がります。
- フードロスの削減
食品の生産から配送、調理までの過程で多くの温室効果ガスが排出されます。2022年には世界で10.5億トンの食品が廃棄され、そのうち約8~10%が温室効果ガスの原因とされています。食材は旬のものや地元産のものを選び、食品廃棄を減らすことで、カーボンフットプリント削減に繋がります。
- リサイクルの徹底
廃棄物の分別リサイクルを徹底し、専門の機関で再利用処理を行うことで、資源の無駄を減らし、廃棄物の焼却や埋立による環境汚染を抑えることに繋がります。
- 公共交通機関の利用
自家用車よりも公共交通機関を利用することは、燃料消費を抑えつつ多くの人が移動することができるため、エネルギー消費とカーボン排出量を減らすことに繋がります。
(2) 企業がカーボンフットプリントを削減する5つの方法
- 省エネ設備の導入
企業の生産設備に省エネ機器を導入することで、エネルギー使用量を削減し、カーボンフットプリントを抑えると同時に、生産コストの削減に繋げることができます。
- 持続可能なサプライチェーンの構築
企業では間接的な排出量が多くを占めるため、再生可能エネルギーを使用するサプライヤーと提携したり、既存のサプライヤーとともに温室効果ガス排出削減策を検討したりすることで、持続可能なサプライチェーンを構築することが持続的なカーボンフットプリント削減に繋がります。
- オフィスでの環境保護の実践
省エネルギー照明の導入や紙のリサイクル、節電、ゴミの分別など、オフィス内での小さな取り組みを積み重ねることで、エネルギー消費と炭素排出の削減に繋げることができます。
- カーボンフットプリント報告書の作成
カーボンフットプリント報告書は「カーボンインベントリ報告書」とも呼ばれます。台湾の金融監督管理委員会が提案した「上場企業および店頭市場上場企業の持続可能な発展行動計画」に基づき、上場企業および上場企業は温室効果ガス排出量のインベントリを作成し、企業が製品を生産したり、サービスを提供したりする際のすべての活動過程における炭素排出量を明示することが求められています。
企業にとって、各プロセスの炭素排出量を記録するためには時間が必要ですが、定期的なカーボンインベントリの作成を行うことで、企業のイメージ向上に寄与できるだけでなく、カーボンインベントリ分析を通じてコスト分析が可能となり、コスト管理を改善できます。これにより、コスト削減と同時にカーボンフットプリントの削減につながります。
- ペーパーレス管理システムの導入
ペーパーレス化を進めることで、紙の使用量を減らし、森林伐採や水資源の節約、廃紙のリサイクルコストの削減が可能になります。また、業務のデジタル化を進めることで、企業のデジタルトランスフォーメーションを促進できます。
5. カーボンフットプリント削減の強力なサポーター!企業向けペーパーレス化&カーボンフットプリント削減サービストップの「Turing Certs」
Turing Japanは、2020年に設立され、情報セキュリティとブロックチェーン技術を基盤に、越境のデジタル認証とデジタルデータ管理の複雑な課題を解決するサービスを提供しています。国境を超えたデジタルトラストのネットワークを構築し、世界のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
企業向けペーパーレス化&カーボンフットプリント削減サービス「Turing Certs」導入には、以下のようなメリットがあります:
- CO₂削減効果: 約195,000本の樹木が1日に吸収する量に相当する二酸化炭素当量の削減を支援します。
- ワンストップ管理: デジタルデータを管理するために自社でサーバーを構築する必要がなく、維持費用を約できます。
- デジタル証明書類やデジタルドキュメントの発行: ペーパーレスを実現し、環境負荷を低減しながらデジタルフォーメーションを実演します。
- 迅速な発行プロセス: 紙の書類発行にかかっていたコストを節減します。
- 時間と場所に制約されない: 国境を越えても安全なデジタル証明書やデジタルドキュメントデータの受け渡しが可能です。
- ブロックチェーン技術の活用: データの偽造や改ざんを防止します。
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